愛する人よ、おかえりなさい。

 冥土の土産屋『まほろば堂』は書籍化され、本作はシリーズ3【完結編】です。

 店主の妻は六年前に他界。
 店主に思いを寄せる店員。その店主の奥さんが冥土から帰って来た!?

 幽霊なのか? それとも妻は亡くなっていなかったのか?

 記憶喪失になっている妻は、とても幽霊とは思えません。その妻と店で働くという摩訶不思議な状況で、店主も店員も妻に普通に接しますが……。

 ――果たして妻は、死神マホ(黒猫)により、この世に戻って来たのか?

 まだ、その謎は解けていません。

 非現実的ではありますが、登場人物が個性的キャラで魅力的で、作品が重く(暗く)ならず、時に楽しく、時に切なく、時にほっこりとした人情に触れることができます。

 まだ連載途中ですが、倉敷美観地区が舞台の人情ファンタジー小説の完結編です。完結編からでも十分読みごたえはありますが、シリーズ1から読まれることをお薦めします。


(第五章 午前零時の紫陽花通り 5ー5まで拝読後のレビュー)