序章あらすじ・登場人物紹介
序章あらすじ・登場人物・用語解説
「ある魔術師の伝説」
序章「魔力の無い魔術師」
~あらすじ~
魔術師の都「ディザリル」
湖に浮かぶその街は、街全体が水の魔法陣になるように形作られている。
街に住む人間は、老若男女を問わず、すべて魔術師。
それにもかかわらず、魔法を使えない少年がいた。
少年の名は、ウイン・ゼルバーン。
小さい頃から魔法が使えなかった。
そのために母は湖に身を投げ、父は自分を捨てた―
捨てられた先は「見捨てられた街路」と呼ばれる貧民街だった。
宿屋に拾われたが、奴隷同然にこき使われた。
罵られ、蔑まれ、暴力を振るわれながら働く日々。
そんな日々は15歳の時に突然終わった。
父に呼び戻され、下位魔術師の称号を与えられたウイン。
未だ魔法が使えないにもかかわらず。
それから2年、図書館での職を得たウインの前に、一人の最高位魔術師が現れる。
その魔術師の名はテュール・アルデローア。
テュールに過去を話すウイン。
魔法が使えないこと。魔力が無いこと。そのために送ってきた過去の日々。
聞き終えたテュールは言う。
― この世に魔力の無い人間はいない ―
驚きと、そして怒りが鎌首をもたげる。
過去を聞いて、なお、その言葉を言うのか―
テュールから明かされる事実。
魔力の仕組み。
そして、テュールは1冊の本と1つのオーブを渡す。
― 無駄な努力などこの世に存在しない。例えその時は結果が伴わずとも、努力はいずれ、何らかのかたちで君に報いるだろう ―
テュールとの出会いはウインに何をもたらすのか。
一つの命が終わり、一つの命が生まれる
風が優しくぼくを包んだ。
ぼくは大地と一つになった。
ウインの冒険が始まります。
~登場人物紹介~
ウイン・ゼルバーン
17歳。心優しき下位魔術師。下位魔術師の称号を得ているが、魔法が使えない。魔法を使った記憶もなく、幼少期に母を失い、父とも離れて「見捨てられた街路」で過ごす。「見捨てられた街路」では、宿屋の主人に虐待同様の扱いを受けるが、15歳の時に父に呼び戻されて下位魔術師となる。2年後、街の外れで涙をこぼしていたときに、最高位魔術師テュール・アルデローアと出会う。
テュール・アルデローア
25~30歳くらい?水の魔法を得意とする最高位魔術師。街はずれでガンティ・サプアに襲われていたウインを助け、話を聞く。ウインにセベリット・オーブを渡し、きっかけを作る。
父・ゼルバーン
年齢不詳。高位の魔術師。魔法学校の教師?ウインが15歳になったときに手元に呼び戻し、下位魔術師の称号を得られるよう手配する。その後、同居はしておらず、親子関係は希薄。
母・ゼルバーン
ウインが5歳の時にウェルゼ湖に身を投げて自死する。
セベリット・オーブ
語りかけてくるオーブ。その正体は?
~用語解説~
ディザリル
魔術師の都。標高の高い峰々に囲まれた山間の湖の中心に浮かぶ。街全体が水の魔法陣になるように作られており、その中では魔力が増幅されている。
ウェルゼ湖
ディザリルの街が浮かぶ天空の湖。
魔術師の称号
下から魔術師見習い、下位魔術師、中位魔術師、上位魔術師、高位魔術師、高位上級魔術師、最高魔術師と7段階ある。もう1段階上があるとも?
オーブ
魔術師が用いる武器。魔力を増幅させる力があり、種類によって増幅力が異なる。ウインがテュールから貰ったセベリット・オーブは、下位~中位の魔術師が装備する標準的なオーブ。オーブ自身にも魔力があり、装着すると自動的に浮き上がって、術者の右肩付近に浮遊する。左利きの魔術師は左肩。複数装備することも可能だが、術者が未熟だと魔力が暴走して廃人になることも。
ローブ
魔術師の着る洋服。ランクによって色が決まっている。下位魔術師なら薄水色。最高位魔術師は白地に金刺繍。
ラテア
ウェルゼ湖の汚れを浄化する魔法生物。丸い。
ガンティ・サプア
ラテアを吸収するうちに知恵を身に付け、巨大化した蜂。極めて獰猛。下位魔術師なら勝てる。
ある魔術師の伝説 ~魔術師の街に生まれながら魔法が使えなかった少年の逆転物語。逆転するのはいつ!? 坂梨らいと @raito70z82k
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