第13話 未来の為に


イリス「やめてよニアさん!

   私達の方が何倍も

  お世話になってるんだから!

   頭なんか下げないでよ!

 本当に、、毎日、毎日、、ドジな私を、、

   うぅぅ、、うわぁぁぁん!」


号泣するイリス、頭は良いが何かとトラブルを起こし、その度にパートナーのドリアードが優しくフォローを入れており、厳しい実の姉であるレイラより懐いている。


レイラ「まったくこの子は総長になっても

    泣き虫なんだから、、

   でも、イリスの言う通りです。

   日頃から公私共にお世話になってる

   家族同然の存在なのですから

   家族に頭を下げられたら

    困ってしまいますよね?」


いつもは厳しい言動の多いレイラであるが、この時ばかりは今にも泣きそうな顔で優しくニアに語りかける。


ニア「イリス様、、レイラ様、、

   分かりました

   ありがとうございます」


ゆっくり頭を上げ、2人に礼を言うニア


アリーシャ「レイラが代弁してくれたからな

    今は何も言わないでおこう、、、

    さて、イリス大丈夫か?」


親友以上の関係である秘書の事を思い泣き続けているイリスに声を掛ける。


イリス「ずびばぜん、、ずずぅ、うぅ、、

     はい、、、、もう大丈夫です、、」


レイラから渡されたハンカチで涙を拭うと、それでもやはり、目尻に涙を溜めながらも気丈に口を一文字にし、アリーシャを決意の篭った目で見詰める。


そんなイリスに優しく笑顔で頷いた後。


アリーシャ「構わんさ、、

    それでは、改めて確認するが

    全員作戦内容は理解したな?」


総長全員を見渡しながら確認をする。


ノルガ「うむ」

ラライ「はい!」

ソニン「は〜い!」

イリス「はい!!」

メリル「はい」

スレイ「はっ!」

レイラ「はい!」

    

アリーシャ「ならばよし!

      では皆に告げる!

    明日一日は総長全員休みとする!

      無論私も休むぞ!!

    作戦開始は明後日の正午だ!!

       魔力は温存せよ!

    全ては諸君らの力に掛かっている!

     全力のサポートは任せたぞ!」


総長一同

「「「「「「「はっ!」」」」」」」



アリーシャ「では!

      作戦開始まで解散!!」



総長一同

「「「「「「「了解!」」」」」」」


総長達はアリーシャとニアに一礼しながら転移陣に乗りそれぞれの場所へ消えていった。


  

アリーシャ「なぁ、ニア、、

     今回の作戦で予想される

    被害はどれくらいになると

   リアリナは想定しているんだ?」


総長全員が転移したのを見届けた後

アリーシャはニアに振り向き問いかけた。


ニア「はい、結界は100の障壁を

   展開する予定ですが、ミカゼ様の

   ステータスの高さは未知数ですので

   被害は80の障壁が破られる

   事を想定していますので、

  1番内側に居るアリーシャ様や総長一同、

   アリーシャ様達のサポートをしている

   私を含めた秘書ドリアードと80の 

  障壁を張っている25,650ドリアード族は

   全員全滅します」


アリーシャ「そう、、か、、」


あのリアリナの想定ならば間違いは無いのだろう、、しかし、、想像以上に多い人数に、別のやり方が無いものかと思わずにはいられない、、、


ニア「はい、、、

   仮にスムーズにに行った場合でも

   強化されたトルネードディザスター

   と同程度以上の魔法を取得と同時に

   相殺する魔法を発動する事を誘導する

   魔法陣を展開しているので、

   少なくともその衝撃で、我等16名

 (アリーシャ、総長達、

  その秘書ドリアードを含めた人数)を

   含め、20の障壁を張るドリアード

   7,560名

   は確実に無事では済みません」


無言で頷くアリーシャ。


ニア「幸いにもミカゼ様の規格外な戦闘力

   のお陰で、成功率は98%と

   非常に高いものとなっていますので

   失敗する心配は無く

  魔法を覚えたミカゼ様ならば

  デーメステーエル神様のダンジョン

  をクリア出来る可能性が非常に高い

  とリアリナ様は思っています」

   

アリーシャ「リアリナがそう言うなら

    間違いは無いのだろうな、、、」


アリーシャは短くそう答えると遮光防音魔法を施された窓に歩き出し、遮光魔法を解除すると漆黒に染まっていた窓にが透明となり窓からは宝石を散りばめた様な景色を目を細めて見渡す。

既に夜が更け、大小様々な建物から煌びやか光がキラキラ輝いており、見慣れた風景ではあったが、それはとても美しい景色に感じた


アリーシャ「あぁ、、綺麗だな、、、

    明後日の作戦でこの光を放つ

    人々の命運が決まるんだな、、

   族長としての最後の大仕事だな!

   ははっ!よーし!明日は休みだし!

   久しぶりの休日を満喫するぞ!

   ニアもゆっくり休むんだぞ!」


景色を眺めていたアリーシャは、気持を切り替えるとニアに振り向き元気な声と表情で声を掛けた。


ニア「アリーシャ、、様、、」

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