第7話  エルフにぶっかける!?


シーーーーン



メル「あれ?アリーシャ?」

(あちゃぁ、、今、直人から何か凄いのが

 出たけどこの部屋は【敵意】ある魔力は

 無効化する様になってるから問題無いと

 思ってたけど、、う〜ん、、)



不審に思ったメルはそのままアリーシャの前に来ると目を見開き固まったままのアリーシャの状態を軽く診断し命に別状の無いのを確認した後、直人達に振り向き


メル「あらら、、、

   アリーシャ気絶しちゃったよ」


苦笑しながらそう言った。


直人「ええええ!?なんで!?」


完璧だったはずだ!

あ、いや、どこかおかしかった?

いやいやいや!

それにしても気絶する位酷かったの!?

何が!?顔が!?

ええ!?イケメンじゃん!違うの!?

それとも何?臭いが、、?

それは無いよ!リズ先生作の魔装さんが常に清潔にしてくれてるじゃん!

何でだよ!

必死に爆発しそうになった

    【想い】を抑え込み(直人的に)


紳士的な真面目な顔して、社会人として恥ずかしくない綺麗に頭を垂れてたじゃん!!

めちゃくちゃへりくだってたよ!

(そうでもない)


そんな感じで絶賛混乱中の直人はオロオロしながら、時にはアワアワしながらどうしたら良いのか分からず泣きそうな表情でワタワタしていた。




リアリナ「(戦闘分析結果と先の魔力の

  波動からある程度覚悟をしていた

  つもりでしたが、、、

  ミカゼ様のステータスは解析不能

  ですか、、少なく見積もっても

  アリーシャの20倍以上、、

  分かっていたつもりでしたが、

  無意識で【コレ】ですか、、、)


コレとはアリーシャの現状を指した事であり、この時点で、メルとリアリナはアリーシャに起こった現象をある程度予測がついていた。


リアリナ「(やはり、、

       これまでの方とは、、 )」


あたふたしている直人を見ながら表の表情では澄ましているが、内心は驚愕しているリアリナ。


リズはそんな直人とアリーシャを

交互に見ると何かを思いついた様に左手の掌に握った右手で

ポンっと打ち付けると。


リズ「マスター、恐らくアリーシャ様は

   無意識に放ったマスターの

 魔力がこもった【気当たり】的な?ものに

  当てられ気絶したのだと思われます」


アリーシャの身体のから微かに直人の魔力を感じ取ったリズはそう結論付けた。


直人「ええ!?気当たり!?

     そんなんしましたん!?」



気合いの入り過ぎにより


【異世界に行ったらエルフが

    エロフ過ぎて困ってる件について】


という官能小説にありそうな

    展開の幕開けとなる事を

        期待し過ぎたのだろう



重要な自己紹介の場面を


無意識にしくじった直人であった。





==============================



その後、

直ぐにメルとリアリナは気絶した

アリーシャを椅子に座らせ

メルはアリーシャの眉間の辺りに指を添え、

リアリナはアリーシャの背中に手を添えると

2人で何やら唱えるとアリーシャの全身に光の膜が覆い驚愕していた表情から目を瞑り穏やかな表情となって行く。



心配そうにメル達の様子を静かに見守っているが、何も出来ない自分とやってしまった自分に怒りと焦りを感じながらも

アリーシャに対し罪悪感でソワソワしてる直人。


リズはそんな直人を放置して興味深そうにメル達の魔法を眺めてる。


やがて光の膜が徐々に薄くなり完全に消えるとアリーシャの眉間に置いていた指を離すとリアリナもまたアリーシャの背中に当ててた手を離し、アリーシャの背中を椅子にもたれさせる。


メル「うん、もう大丈夫だよ」


そう言ってメルがアリーシャから手を離すと


アリーシャ「んぅ、、え?、、あれ?

      メル様?、、リアリナ?

      私はどうし、、」


目を覚まし、目の前にいるメルに自分の現状を聞こうとした所に



直人「申し訳ありませんでした!!

   故意では無かったのです!!

   本当に申し訳ありませんでした!!」


突然ジャンピング土下座をする直人。

あまりに早過ぎる行動はその場に残像を残しアリーシャやメル達からすると瞬きしたら目の前に土下座してる男が現れたという状態である。


メル「うわっ!?なに!?」

アリーシャ「ひゃい!?え?何?何が?」

リアリナ「う、動きが

        見えませんでした、、」

普通に驚くメル、数メートルの距離から

まるで瞬間移動したかの様な動きに戦慄するリアリナ


そんなメルとリアリナの反応とは違い

直人を見るや否や

少し目元に涙を浮かべながら

ビク付き戸惑うアリーシャ


そこにエルフを束ねる族長の威厳あるカリスマ性は無い。



メル「はいはい、

   直人はそんな事しなくて良いから

   アリーシャを余計に困らせる結果に

   なるよ?

   ちょっとそこで大人しくしててよ」


呆れた様に直人にぞんざいに指示するメル


直人「え?あ、、はい、、ごめんなさい」


誠心誠意謝罪したつもりの直人は疑問に思いメルを見た後アリーシャを見ると、少し怯えてる様子にショックを受けた直人

ノロノロと立ち上がると

気を使い、少し下がると肩を落としながら下を向いて大人しくする


そんな直人にリズが近づいて、小声で何やら励ましていた。

   



メル「はぁ、これは思ったより難解だよ」


ションボリしている直人を横目で見ながらため息を吐くメル


アリーシャ「あ、あの、それで一体私は

    どうなったのでしょうか?

    あの方の自己紹介の途中までは

    記憶があるのですが、、」


メル「うん、そうなんだよ

   アリーシャの記憶の通り

   直人はただ【自己紹介】しただけ

 ちなみに、もう分かってると思うけど

  あっちでションボリしてるのが

   ナオト ミカゼ

   それを慰めてるのが直人の

   パートナーのリズだよ

   で、その直人が自己紹介の最中に

   ナニに興奮したのか

   無意識に気合いを入れたみたいでね

   それが気当たりとなってアリーシャを

   直撃したわけ

   悪意とか戦意があれば無効化するし

   無害な魔力なら瞬時に空気に

   溶け込んで消えちゃうんだけど

   それが何故かアリーシャまで

   届いたんだよね

   しかもエルフ族の中でも高い魔抵抗を

   アリーシャを気絶させる程、強くね」


アリーシャはメルを見つめたまま放心していた。


意味が分からない


いや、言葉の意味は分かるが


無害のハズの魔力で気絶させられた?


そんなバカな話が、、と否定したいが


自分の身体は自分が1番分かる


今もなお、体を貫いた直人の魔力の残滓が体に流れてる


流れてる?他人の魔力が?アリエナイ!


通常なら他人の魔力を受けると身体が無意識に抵抗し拒絶する


意図的に調和させる事も可能だが、それは、互いが互いの魔力をゆっくり調和させる事を意識しながら同量の魔力を流す事により成し得る匠の技である


魔力の扱いが不完全な者が出来る事では無い


ましてや不意打ちでなど不可能。


しかし、身体に流れてる直人の魔力は濃密で力強くアリーシャの魔力を底上げしている


その上昇率は元々持っていた魔力値の2倍。


こんな、、こんな事が出来るのはどんな種族でも不可能だ


仮に出来る存在が居るとすれば、、、



それは、、、



【神】だけだ。


しかし、それもまた不可能だ


現在私はデーメステーエル様の加護を強く頂いている

当然今もその加護に守られてる。


二重に加護を得る事は不可能である事はこの世界の常識。


仮に2柱の神から加護を受けようとしたら

神の加護が両方とも弱体化してしまうだけではなく、受けた本人も耐えきれず崩壊してしまう。



では一体この状態は何なのか?


攻撃を受けた訳でも


加護を受けた訳でも無く


只、魔力が増しただけ、、、

では、、無い、、

考えない様にしていたが、、、実は、、


ほんのちょっとだけ、、


気持ちいい、、いや、、正直


かなり気持ちいい、、


訳の分からない現象だか、、悪く無い


って言うより、満たさせる身体と心。


コレはもしや、噂に聞く【相愛昇華】?


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説明しよう!


【相愛昇華】とは


主に魔力の高い種族が互いを愛し、契りを交わした際に相性が余程良い場合に稀に発生する現象である。

その効果は主に魔力の向上であり、通常ならば、

1.2倍から1.5倍の効果を互いの愛が続く限り永続的に発揮し、【相愛昇華】を取得した際には絶頂を超えるエクスタシーに似た感覚があり

余りの衝撃に気絶する事もあると言う。

そして【相愛昇華】を得た者は

相手が側に居れば

魔力は高まり、幸福感も高まる事から

【相愛昇華】と呼ばれ

これを成し得た2人は

理想のカップルとして称賛されるのである。


しかし


【相愛昇華】には条件があり

男性が女性より魔力高いカップルでないと発生しない上に、女性が相手の全てを心より受け入れた時にしか発生しないのである。


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