第5話 美少女、美人、美女、誰が好き?
【ニースの街】
【ギルド総本部兼エルフ統括管理室】
シュン
メル「やぁ!お邪魔するよ!」
広い部屋に現れたメル
机のモニターを何やら操作していた人物メルの出現と共に顔を上げて立ち上がる。
??「これは、メル様お出迎えも出来ず
申し訳ありませんでした」
姿は格好に似合わず丁寧に謝罪する人物
メル「ダメだよ、アリーシャ
メルって呼び捨てして貰わないと
それに口調もいつも通りにしてよね
今のメルは【彼等】の
案内人ってだけの存在だからね」
少し困った様に注意を促すメル
アリーシャ「い、いえ!確かにそうですが
メル様は現在案内人と同時に
デーメステーエル神様の使者という
役割となっていますので、そこは何卒
お許しくださるようお願い致します」
再度深々を頭を下げる丁寧な対応をする。
メル「確かにね、、
あの子達も態度変えてくれないし、、 (直人はそんな細かい事
気にしそうにないからいっか!)
うん!分かったよ!それでね、今
彼等に待ってて貰ってるんだよね
ちょっと会わせる前にアリーシャに
相談があるんだけどさ」
アリーシャ「はい!ありがとうございます!
相談、、ですか?やはり【今回】も
そこまでの存在では、、」
最後に異世界人がこの国に居たのが私が族長になる数十年前の話だから私自身面識はないのだが、過去何度か異世界から来たと言う者達は、この世界の者達より成長が早く、特殊な技能を取得し、短期間で熟練者の領域まで到達した。
だからだろう、、その者を「救世主」と呼び
称賛しダンジョン攻略を期待した。
しかし、異世界の救世主はすぐ堕落してしまった、、堕落と言うのは言い過ぎかも知れないが、短期間で熟練者になるなら
継続して戦い続ければ一流や超一流になれる筈なのだが、大概の者達は一流手前で終わってしまい、楽に倒せるモンスターをたまに倒して終わりにし、後は世話役となったエルフやドリアードの女性達と一緒居る時間を多く過ごしていたようだ。
娯楽が少ないのに一体ナニをしていたのだろうか?
何故か族長になる際に聞いた時はその部分だけ濁してたし、、戦闘訓練でもしてたのか?
ともかく
多くの異世界が大体そんな感じではあるが、中には超一流となった者も居たには居たが、
デーメステーエル神様のダンジョンに挑む事すら出来なかった、、、何故なら、、
メル「あ、ちょっと待ってね!
リアリナも時間取れるみたいだからさ
コッチに来て一緒に聞いて貰って
ついでに直人達に会わせちゃうからさ!」
アリーシャ「リアリナが?」
(あれ?メル様が直接案内するだけでも
初めての事なのにリアリナも紹介するのか?
ドリアード族、【族長】のリアリナを?)
シュン、、
リアリナ「お待たせ致しました」
メルが移動して来た転移陣では無く、メルとアリーシャの間付近に生身で転移して来た
リアリナ。
アリーシャ「よう、リアリナ
相変わらず便利だなそれ」
突然現れたリアリナに驚きもせずに、親しげに話しかける
リアリナ「えぇ、久しぶりですね
この国限定ですけどね
それよりメル様お話というのは、
あの事と関わりあるお話でしょうか?」
アリーシャ(あの事?って、
さっき【ニア】から報告あった話の事か?)
メル「うん、リアリナも来たし
早速、今回シュナイダー神から
送られてきた異世界人の
「海風(ミカゼ)直人(ナオト)」と
そのサポートパートナーのリズについて
なんだけどね、初めてシュナイダー神から送られて来たってのもあるからメルが直接対応
したけど、結果的にそれは「正解」だったよ」
リアリナ•アリーシャ「「!?!?」」
メルの言葉に息を飲む2人
メルが直接対応した事が正解だったという事は、それだけでも重要人物である事が証明された。
アリーシャ「で、では!」
メルに一歩近づき興奮し、期待の籠もった様子で先の質問の答えを聞こうとすると
メル「待ってアリーシャ、、
早まる気持ちは分かるけど
さっきの質問の
返事を答える前にさ、リアリナ、
あの時の映像出せる?」
リアリナ「はい」
ブゥゥン。
リアリナが手をかざすと、空中に60インチ程のモニターが現れ、メルとアリーシャがよく見える位置に移動すると静止し、
そこには直人が煙魔を吸い始めた映像が流れた。
アリーシャ(この人物が異世界人の、、)
モニターに流れる映像を黙って見つめる3人
結局、直人がモンスターを全滅させ素材を回収してる所まで流した所でモニターを消す
リアリナ。
メル「どう思った?」
モニターを消した場所を難しい顔で見つめていたアリーシャに問いかける
アリーシャ「そう、ですね、、凄まじい
とは思いますが、、何か違和感を
感じますね、、映像だけだと
流石に何かまでは分かりませんが、、」
メル「流石だね、、あの直人のやってる事
を把握しただけじゃ無くて、その
違和感まで映像見ただけで読み取る
んだからさ、メルなんてその場に
居たのに何やってたのか
わからなかったよ!」
苦笑いしながらあははと笑った後、リアリナに話しかける。
メル「じゃぁ、リアリナ
そっちで分かった事報告してくれる?」
リアリナ「了解致しました。
ミカゲ様が魔呼びの煙魔で集めてしまった
モンスターは合計482体に登り
全てRANK1〜2程度でしたが、それでも周囲に損害を出す事無く討伐した手際は驚嘆に値する成果と言えますが、メル様が危惧しているのはそこでは無いと思われますが、、
如何でしょうか?」
一旦説明をやめてメルに問いかける。
メル「うん。そうなんだよね
現場では正確な数値想定
出来なかったけどさリアリナなら
詳しく分かるんじゃないかな?」
アリーシャ「数値?とは?ミカゼ様が
モンスターを討伐した魔力値ですか?
速さは異常でしたので、
おそらく下級上位か、
中級下位程度の魔力値になると
思いますが?違うのですか?」
リアリナ「アリーシャの疑問はもっともです
私もその時の観測されたデータを
見た時は何か別の原因かシステムの故障
を疑い調べましたが、結果的にデータは
正しいと判断しました」
アリーシャ「周りくどいな、、
結局どんなデータだったんだ?」
リアリナ「これから話す事は全て事実です」
アリーシャ「くどいぞ?
今更リアリナを疑ったり
するわけないだろ?」
歯切れの悪い言い回しに、眉間にシワを寄せて不機嫌になるアリーシャ
リアリナ「そうですね、、では
先程の映像に合ったミカゼ様が討伐した
モンスターが攻撃を受けた瞬間、刹那の間でとても観測出来るものではありませんでしたが連続的に攻撃していた為、僅かですが観測した数値は、【戦略級魔力値】でした」
アリーシャ「は?」
間抜けな声を出して思考停止したアリーシャ
それも仕方ない。
魔法を発動するには魔力が必要となるが、その魔法を発動させた際に使用された魔力値を
リアリナは測定したのだが、魔法には
【下級】【中級】【上級】【特級】【戦略級】とあり、更にそれぞれの中に下位、中位、上位と分かれており合計15階級の【魔力値=魔法威力】
となる。
しかも個人で発動出来るのは最高でも
【特級】までであり、【戦略級】とは
【近代武器】で【例える】ならば
ロケットランチャーが【特級】とするならば
長距離ミサイルが【戦略級】となる
そう、【特級】と【戦略級】では次元が違うのだ(※あくまでもイメージの話)
メル「やっぱりそうなんだ、、
流石に戦略級だとは思わなかったけど、、」
困った顔をするメル
アリーシャ「た、確かに400体を倒した
とは言え、殆どがRANK1程度と考えると
些か過剰な魔力使用だ「アリーシャ違います」と、ん?何が違うんだ?」
アリーシャの話の途中で否定したリアリナ。
リアリナ「ミカゼ様がモンスター討伐した
際に使用した【全ての】の魔力値
では無く、恐らく【1体】討伐する毎に
使用された魔力値が戦略級なのです」
シーーーーン
リアリナの言葉を最後に静寂が部屋を支配する。
アリーシャ「ん、な、バカ、、」
言葉が出なくて口をパクパクさせながらなんとか【バカ】だけは言えたアリーシャ
リアリナ「失礼ですね、人に向かって
バカとはなんですかバカとは」
アリーシャ「い、いや、別にリアリナに言った
わけじゃないんだが、、す、すまん」
メル「まぁまぁ、アリーシャが動揺
するのも仕方ないんだよね!
実際、戦略級は予想を超えてたけど
直人が強すぎるクセに魔力の扱いが
超ド級のヘタクソなのは事実だからさ」
アリーシャ「あ、いや、ヘタクソの
領域じゃないですよそれ、、
発動してる意味がわからないレベルですよ」
驚き過ぎて逆に冷静になって来たアリーシャがやや呆れながらメルの話にツッコミを入れる。
メル「はぁ、、
そう、、なんだよね
どんな原理で発動させてるのか
分からない謎生物だよ、、ほんと、、」
溜め息を吐きながらアリーシャのツッコミに賛同する。
リアリナ「なるほど、、
となると、、
メル様のお願いとは、、やはり、、」
メルのお願いの内容に予想が付いたリアリナは思案顔となり、同じくアリーシャも思い付いてしまった事をメルに質問する。
アリーシャ「ま、まさか、、
メル様、、その謎生物、あ、いえ、、
ミカゼ様に【魔法を教える】って事
ですか?」
違ってくれと願いながらメルに聞く
メル「アリーシャ正解!!」
アリーシャ「やっぱりぃぃ!!」
リアリナ「ですよね」
満面の笑みのメル
悲痛な表情のアリーシャ
困り顔のリアリナ
三者三様の表情をする。
リアリナ「それでもしやその教育者に
アリーシャをご指名なのですか?」
メル「うん、、そうなんだけど、、」
アリーシャ「くっ!?メル様の御命令
とあらば!このアリーシャ例え
この身が「コラコラ話は最後まで聞きなさい」え?は、はい、、」
メル「でね、最初はアリーシャに頼もうかと
思ったけど、、
普通のやり方じゃ無理そうだから
リアリナも実際直人と会って貰って
見極めて貰いたいんだよね
やり方は任せるからさ、あのまま
属性モンスターと戦闘続けたら
間違い無く直人は【暴発】しちゃうからさ」
その頃別室に居る直人はと言うと
直人「エルフってやっぱ耳長いのかなぁ?」
メル達が深刻な話をしてる中、煙魔を吸いながら呑気に寛いでいた。
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