1粒で3度おいしい作品

物語の軸が「ハイファンタジー」「ローファンタジー」の2面進行だけでなくそれらの世界がクロスしていくことへのテーマも加味すると実質的には3作品分の重みがある作品。
そんな3面同時攻略を遂行しないといけないヘビーな舞台設定での主人公という3重苦ミッションを背負わされたのはただの一般人。
今まで一般人として生きてきた学生にこのタフなスケジュールをこなせる筈がなく、さながらブラック企業に放り込まれた新卒社員のよう。
力を得て最底辺から抜け出したはずなのに未だに利用され続けあがき続ける様に哀愁を感じる。
また、主人公に主体性がないのでその場の気分で決断したり、でも結局周りに流されたりと読者に行動を予測させることを許さないのも一つのアクセントになっている。

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