澱んだプライドを、アルフォートで掻き混ぜて

リアルな男の、燃えないゴミの日に出し忘れたプライドみたいなものが、泥水の中の澱のように沈んでいる。ある日落ちて来たアルフォートが触れると、澱は水中をびゅわりと舞い上がる。掻き混ぜられて茶色く濁ったその中で、アルフォートは底の方へと降りていく。対して巻き上げられたプライドは熱を伴って表面に浮上してくる。

——ぷく……。

プライドは口から泥を吐きながら、それでも空を見上げる。

夜空だった。


僕はそのように思ったのでした。

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