SF、サイバーパンク、魂の証明。

軌道貴族から機械の身体を持つリーファに依頼されたのは、軌道より堕天した末端の医師の追跡だった。

古式ゆかしいとあらすじに銘打たれているだけあって、のっけからweb小説らしからぬ(というと多少語弊があるかもしれないけれど)情報の渦と耳慣れない単語の波に攫われそうになります。
天上人と、汚染された大地に住む者と、機械化の進んだ世界。そうしたSFによくある設定を、単なるお約束的に流さず、独特の単語や意訳されたような言葉で配置しているのは作者さんの腕の良さでしょう。読み終わった時には思わずクラクラしました。いい意味で。

前後編という短い話の中にそれらが凝縮していて、一作の短編映画を見終わったような気分でした。

古き良きSFを探している方には是非。

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