もう二度と、奪わせない。闇落ち白狐と妖っ娘たちが踊る、自然派冒険活劇。

 和風×洋風を掛け合わせた、異世界ファンタジーの新境地を開く物語。
 人に取り憑き、酒と食事を味わうのを楽しみに日々を過ごしていた白狐の楽市は、理不尽な暴力によって独りきりになってしまいます。しかも、目覚めた場所はどこともわからぬ新生した世界。
 戸惑いながらも眠りこけていた彼女に、突然なにかの影が襲いかかるのですが――。

 ハードモードな始まりながら、どこかふわふわした楽市の性格のお陰で物語全体の雰囲気は柔らかめです。とはいえ、新生した世界の中で楽市の持つ闇っぽい力は最強であり、異質。彼女とともに暮らしはじめ、成長していく妖の子供たちもまた同じく。
 敵勢力はなかなか残酷ですし容赦ないので、生き延び、あるいは何か(誰か)を守る戦いも、自然と苦戦や覚悟を求められます。そんな中で成長する妖の娘たちは、暴力的で過激ながらも陽気で前向きで、友情を大切にする可愛い子たちでした。

 ほのぼのしたりハラハラしたりと物語も起伏に富んでいるので、結構長い連載作品ですが、気づくと100話くらい読み終えておりました。
 各話がそれほど長くないので、サクサク読めるかと思います。ぜひご一読ください。

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