概要
写真でつながる思い出。二人にとってそこは全てだった。
仕事が忙しく実家にあまり帰ることができない僕。しかし毎年お盆の時だけは必ず帰省するその訳とは……。写真がつなぐ座敷の中の青春。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!柔らかな読了感と共に、“家”を今一度考えなおすきっかけとなる一作
家という言葉には二つの意味合いがある。一つは建築。
そしてもう一つが、本作に巧みに描かれる、単なる三次元空間としてではなく、様々な時の流れを思わせる四次元空間とも呼べる存在である。
物理的な意味で家は、引越し・建て直しなどによって、時代を超えることがある。だが、その思念が継承されることは、どの時代・国・身分の「家」であっても、容易ではない。
そういった中で、まさに奇跡的な邂逅を果たした主人公は、写真を介して想いに寄り添う。
「座敷」へお通しされる者はすべからく家に親しい者である。
ただ想いを馳せるのではなく、この寄り添う姿勢こそが、大人になり巣立とうとも、新たなる「家」へと継承するに至る…続きを読む