これは、いわゆる【異世界ファンタジー】という、商業的なシステムに組み込まれた、或いは組み込まれる事を望んでいる若き才能への叱責であり、文学、文芸が今後どんどんやせ細っていく事への懸念、そして、それらの軌道修正を真摯に願う、読み書きが大好きな一人の人間の願いでありましょう。
例えば、ものすごくマイナーな工芸のジャンルがあったとして、その作家達は、作家同士のプライドを以って他人の作品を鑑賞し、そこで、「オレもコイツに負けないモノを作り上げるんだ」と発奮する。そして、そんなプライドのぶつかり合い、また、自分たちの価値観の中でのより高みを目指そうという切磋琢磨が、多くの人に知られる事なく、マグマのように地下で滾り、醸成していく。そして、何らかのキッカケで多くの人にそのジャンルが知れ渡るようになった時、「彼らは、なんと素晴らしい世界を作り上げているんだ」と大衆を驚愕させ、感動させる訳です。
「その真逆の事が、今の出版業界で起こっている。それが、異世界ファンタジーライトノベルなのだよ」と、この筆者は思っておられるのだと思います。
もちろん、異世界ファンタジーライトノベルを書いている人同士にも切磋琢磨はあるのでしょう。「でも、それらはぬるすぎてお話にならない。それどころか、上記の工芸の例の逆方向の働きさえある。それは、日本の文学、文芸界の悪貨でしかない」そんな思いに端を発した愛が、この10編にはありました。
私は異世界ファンタジーを書いた事がありませんが、私が「こんな話を考えたんだよ、おもしろいと思わない?」と書き上げた今までの物語の、その稚拙さをしっかりと指摘されましたし、この10編はモノ書きの指南書としてもとても有意義だと思います。
カクヨムユーザー全員に読んで欲しい、なんてことまで思ってしまいました。
最高でした。
私の胸のモヤモヤを透いてくれる指摘。
全てのラベノ作者には当てはまらないけど、彼らの多くは「承認欲求」が強すぎて読者が「???」になるか仲間内で褒め称えるしかない現状。
もっとも、自分以外『尊敬の念』がない現在に置いて彼らからすれば自分の書く小説よりも現実のほうがもっと辛いわりに幸せにもなれずつまらない人生なのでしょう。
(そういう人生こそつまらないのですが)
自分も自責の念をもって、これからいろいろ書いていこうと思います。
ちなみに、未だ現在、自分の書いている小説のジャンルがわかりません。
(仮に「ハードボイルド風チャンバラアクション」とは名乗っておりますが)
ここでは最近流行りの異世界モノについて、作者の忌憚ない意見が述べられています。有り体に言えば、警鐘が投げかけられていると言えるでしょう。
先に申し上げておけば、私は異世界モノが大好きです。なぜならある程度のフォーマットを基に、作者が独自な設定やキャラクターを演出しやすくなっているため物語をつくりやすくなっているから。そのためランキングでは回転率の恐ろしく早い様々なアイディアが、蟲毒の壺とはかくやといった具合に溢れかえっています。
アイディアが面白ければ数話しか投稿してなくても驚くほどファンがつく。そのことが現在のラノベ業界を表しているいるのでしょう。
ですがそれによって見落とされることがあることも、物書きとして頭に入れておくべきです。このお話では設定や情景描写などさまざまなテーマで、物書きとして考えるべきことをわかりやすく投げかけています。私はとくに8~9章の状況・情景描写の書き方を見て、もっと勉強せねばと反省しました。
文字は私たち人間の考え方や生き方、人格などを構成する大切なものだと考えています。だからそれを扱う私たちは、そのことに畏れを抱きつつ神妙に接していかなければならないのでしょう。そのことを改めて考えさせてくれました。
もう、ね。最初からバッサバッサと斬ってく様がね、まず痛快なわけよ。
異世界モノ? 俺は読まないしここまで跋扈してる状況も憂いていたし、筆者が慇懃な口調でぶった切る度に「よくぞ言ってくれた!」と興奮したし、終盤の「後世のため」というくだりは首の骨が折れるぞって勢いで頷いてたぜ。
もちろん、筆者の意見に全て同意するわけではないけれど(世界観を創り上げる上では本篇に登場しない設定も必要かと、等)、もうね、「コロナでヒマだから小説書き始めました」って人でてっとり早く異世界モノに手を染めてしまった哀れな方は今すぐこれを読んで出直してこい! とすら、俺は言いたい。
途中で筆者も書いてらっしゃるけど、『勉強』って必要なわけよ、やっぱ。何事においても。小説に関して言えばそれは『読書』だと俺は思うわけよ。だから、頼むからまず読め。ラノベでもいいからプロの作品を読め。異世界以外のものを。
別に最初からな、ル・クレジオの「大洪水」を読めだとか、そんなこたぁ言わない。可能なら紙で、縦書きで、文庫でもいいから、オンゴーイング=現在進行形の文学に触れてみてくれ。彩瀬まるとか読みやすいしオススメだぜ?
最後に筆者の夏川さま。
これを公開するにあたっては、相当の勇気を要したとお察しいたします。
「炎上覚悟」とも書かれておりましたが、良い意味で燃えているのではないでしょうか。
私は純文に近いものが本業ですが、現在連載している「私の有害音楽」という話は、簡潔に言う「アンチ・流行り物」的な自主企画に二つ参加しています。そういった自主企画が増え始めているのも、一部で囁かれているように異世界や悪徳なんちゃらやらの勢力が衰え始めている証左ではないか、という希望を抱いています。
本作は、そういったテンプレ豊富なジャンル亡き後、立ち往生する若い書き手への大きなヒントになるでしょう。
私が言うのも変な話ですが、どうもありがとうございます。
異世界転生転移ものを書く書き手に対して思う最大の汚点は、評価されやすいからという環境にあぐらをかいて慢心すること。
慢心は向上心を奪い、それでも読まれるので作者は勘違いしその一人一人の積み重ねが界隈全体を停滞させて行くのだと思います。
異世界転生は書きやすさだけで言えば本当にトップレベルですから、書き手をそうさせてしまう麻薬みたいものがありますから悲しいけどしょうがないのかなと改めて思いました。
本作品は異世界転生を描いた作品の不特定多数に対して、どこがどう悪いのか、指摘が細かく書いてあるので非常に分かりやすいです。
異世界転生ものを惰性で書いている人ならどこがどう見られるているのか簡潔に書いてあるのでオススメです。
それ以外の方はあるあるな内容なので楽しく読めると思います!
ここ数年ですっかり主流になった、異世界もののライトノベル。しかし、ゴールをどこに持っていきたいのか、目的は何なのか、内容が薄くていまいち伝わってこない作品が多い気がしていました。
自分自身もヒロイックファンタジーなんてものに手を出してしまった素人ですが、目的を持って各種描写にも力を入れているつもりです。自分、裁量が下手くそなので、描写が多めになって読みづらいのかもしれませんが⋯⋯自分の作品以外でも、拝読した描写多めの内容もよく練りこまれた素晴らしい作品が、総じて評価低めなのが少々納得いかなくて。
心の中で叫んでいたいろんなことが、ここでは見事に網羅されていました。
拝読していて耳の痛い部分もあれば「そうそう、そうなんだよ!」と何度もうなずく場面もあり。
素晴らしい「気づき」を与えてくれる作品です! 痛い目に遭うかもしれませんが、ぜひご一読を!
異世界って別の惑星の話では?
なんて言ったらまかり通ってしまいそう。
モンスター?
それらしき生き物はむかし実在していますし。
ヌエとか怪鳥とか史実にあるよ!!
魔法ですら出エジプト記で。
エジプトの魔術師が駆使しているなど。
科学に対するアプローチが違うので。
それは省きましょう。
こちらは「解き明かす(神が作ったものを使えるようにする)」
そちらは「発明する(人間が新しく開発したパワー)」
異世界モノはつまり。
いままで世界各地で書かれた。
ファンタジーをすべてごちゃ混ぜにした少年向け大衆文学。
こんな考察でいいのかな?
異世界はRPGの丸写しであって。
現実に「それら」の内容が好きでしょうがなくて。(いかに俗的でも)
そのような人間達が単に多い。(そこまでメンヘル化した)
異世界が売れるのは。
そういう連中が単に多いだけ。
別に変な事では無いと思います。
事実は小説より奇なり。
この世で実際に起きる事件や物事のほうが。
小説よりもよほど複雑怪奇で変化に富んでいる。