概要
「黄昏時って不思議なことがあるものなんだよね。」
彼は不思議な人だった。雨上がりの日曜日の夕暮れ時、私はどこかに行ってしまった彼のことを思い出していた。
すると……?
すると……?
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- ★★★ Excellent!!!美しい空、虹。それは記憶への執着。
忘却曲線とは、経過時間と記憶の残り方の相関を示した曲線のこと。
一般的に記憶というものは時間の経過とともに失われていくものです。
だから、忘れたくない記憶は覚えなおさないといけない。復習することで、忘却曲線は忘れ方が緩やかな別の曲線に変化します。
この主人公は、虹を見て「雨上がりの忘却曲線」と呟きます。作中でも言われている通り、それは詩的な表現ではあるけれど。
虹って絶対に2本で出るんですよ。
水溜まりが逆さまに町を映す雨上がりの世界の中では4本か。
4本の忘却曲線。私はここに、絶対に無くしたくない忘れたくない記憶、主人公の執着を見ました。
美しい風景、美しい記憶、その中に巧妙に飾られて…続きを読む