構成が巧みです

 勇者の仲間として転生してくれないかと神様に頼まれた主人公。慎重な交渉を重ねた結果、「魔王」というジョブ(???)を獲得して、というか押し付けられて転生してしまいます。しかもそれに引っ張られるようにして、どんどん悪辣な性格に……魔王と化してしまった主人公の周囲に、奇天烈な人間や下僕がどんどん集まってくる展開は変な笑いが止まりませんでした。

 一方で戦闘シーンはキレのいい文章で描写されていて、テンポよく進んでいきます。キャラが多いわりにあまり混乱せず読んでいけるのはこのためかもしれません。

 英雄譚と悪漢小説を同時に楽しめる、お得な物語。ファンタジー要素も非常に凝っています。

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