繊細なつくりのチョコレートを、ひと粒ずつ味わうような。

季節ごとの「会えない」を描く短編集。ときにビターに、ときに甘く。そのどれもが後を引く切なさをまとっている。

勝手な想像だけど、春は桜の塩漬け入りのホワイトチョコレートかなぁ、とか。夏は柑橘で甘酸っぱくしてほしいし、秋はビターにプラリネを入れて、冬は思い切り苦いブラックチョコレートをホワイトチョコレートで優しく包んだ感じ……。

珠玉の恋物語。お好きなところから召し上がれ。

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