きっと私達は、宇宙を揺蕩う地球の魚の夢を見てる。

 これぞ圧巻の、SF作品!
 主人公である一人の少女は、地球で襲われそうになった自分を助けてくれた男性と、ある青年の宇宙船に乗り込む。しかし青年に見つかってしまい、一緒に行動することに。青年は地球人とは年の取り方が違い、能力が強いラウル星人だった。この青年は、主人公の父親である科学者が作ったVENAという少女と知り合いで……。
 月のコロニーに着いた三人は、少女の父親の死の理由を探るべく、残された唯一の名前を手掛かりに、とある男性を探す。しかしその尋ね人の名前は、ごくありふれたものだったために、捜査は難航。しかも、捜索の途中で、殺人事件に巻き込まれてしまう。
 尋ね人を無事に探し出した主人公と男性は、男性の「家」で暮らす。男性には「家族」が沢山いた。その家族に血のつながりは関係なく、主人公にとっても居心地のいい場所だった。主人公と男性の蜜月が過ぎる中、突然、男性が拉致されてしまう。そして、男性を助けるために敵地に乗り込んだ主人公は、拉致の首謀者に、自分の父親は大罪人だと言われ、VENAを否定される。主人公の父親が行っていたこととは? 罪とは? 
 そしてついに主人公はVENAと対面を果たすのだが……。
 
 ルツという美貌の天才女性研究者の登場と、古老の存在。
 全ての謎が解ける時、切なくも感動のラストが待っている。

 『飛鳥』という壮大な歴史的一大叙事詩の裏側が、垣間見える作品です。もちろん、この作品だけでも十分に有意義な時間を楽しむことができますが、是非『飛鳥』もご覧頂きたいです。圧巻とは、まさにこの作品のことを言うのだと、思い、圧倒されました。


 是非、是非、御一読下さい!