異星人との恋、障害になるのは、言葉? 文化? それとも……刻の移ろい?

 異星人がこの星に来訪して、いく年月。現在では、この星の住人とも共存していた。社会生活としての、結婚も受け入れられていた。

 しかし、どこかに歪みはあるもので……。

 あなたの明日とわたしの明日は同じモノではなかった。そこがせつない。
 それぞれが生きていく中での、大きな流れの違い。そこが哀しい。

 でも、その障害を、お互いに認め合い、理解し合い、次の約束をする。その約束は、かけがえのないほどに優しい。

 自身の生涯をかけて、この人だけ……だと。それがラストシーンにあるこの物語は、素敵な恋愛小説だと思う。最後の一行からも、それが読み取れるはずである。