概要
「アンタ、何が楽しくて生きているの」あの日、あの貴方はそう言った。
「アンタ、何が楽しくて生きているの」
遠野宮アリルは私にそう囁く。
数少ない悪性促進因子混入者、悪なき世界の住人である私はアリルと次第に関わるようになる。
「#殺伐感情戦線」という殺伐感情百合を書く企画で書きました。お題は『凶悪』
遠野宮アリルは私にそう囁く。
数少ない悪性促進因子混入者、悪なき世界の住人である私はアリルと次第に関わるようになる。
「#殺伐感情戦線」という殺伐感情百合を書く企画で書きました。お題は『凶悪』
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- ★★★ Excellent!!!少女は悪をなす。悪が悪であると知るが故に
同調圧力と相互監視により調和が保たれた、まさに「優しさに息詰まる世界」。
ビッグ・ブラザーのような強権的で正体不明の管理者がいるわけでもなく、党と人民の敵を憎悪する必要すらない、いやそうした激する感情すら廃された、独裁者すらいない普遍的な平和と権利に満ち足りた世界。
そこは節度があり実に健全で、それ故に息苦しい社会を、ふたりの少女の関係性から描写しているのは見事。
感情も情緒も情動もなくなれば、他者には興味なんてものが持てなくなる。効率的な社会性なら、昆虫のほうがよほど高度にプログラムされている。
関係性、というのは非効率的で非均質的な人間性から成り立つものであり、愛と種の存続は人として…続きを読む