バイク系の漫画はよく見かけますが、意外と小説では少ないかもしれません。そして、バイクもので女性が主人公というのも珍しいかも。
正直言って僕はバイクの知識がまったくありません。でも、専門的な部分が丁寧に書かれていますので、なんとなく理解できて、物語についていけなくなるなんてことはありません。かつ、専門的すぎてしんどくなるなんてこともありません。
文書で疾走感をだすのは難しいと思いますが、この作品は自分が走っているように感じることさえあります。情景描写や行動描写がそれだけ秀逸なんです。相当筆力のある方かと。また、バイクで走ってワイワイしているだけの話ではなく、登場自分の人間模様にもいろいろあって、バイクのシーン以外でも楽します。
エピソードの最後に『公道は法規遵守で利用しましょう』的な注意書きがあったりするですが、こういうことをわざわざ記す人ほどバイク愛があるんだと思います。
バイク好きの人にはもちろんですが、そうでない人にもおすすめですので、ぜひ読んでください。
格好いいです。他のレビュアーさんが絶賛するのも頷けますね。
文体が洗練されていて鮮やかです。ライバル達との公道で失踪する映像が眼に浮かびます。無駄のない描写なので、緊迫感もあります。手に汗を握る場面を文字に起こすのは、相当の筆力がないとできないと思うので、本当にお見事です。
なによりも、キャラクターがいいですね。皆、個性的で愛着が湧きます。過度な描写をせず読者に想像を委ねるのも、上手いなぁと思います。参考にしたいです。そして、ヒロインの知と、店長の絶妙な距離感! 読んでいて微笑ましくなります。個人的にはこういった付かず離れずの関係は大好物です。
圧倒的なのは、バイクに関する深い知識です。時には読者を置いてけぼりにしかねないほどの熱量で専門用語が紡がれていきますが、それがこの世界のリアリティを構築しているので、わからなくてもスラスラと読んでしまいます。わからなければ、検索すればいいだけの話ですから。自分もバイクの画像を検索しながら読ませていただきました。
まだまだ連載するとのことなので、続きを楽しみにしていますね。
作品に応援いただいたご縁で、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
本作はバイクとそれに乗る方々に焦点を当てた物語です。バイクについては全く知らない私でしたが、簡潔かつ解りやすい描写と説明。登場人物達のやり取りや、基本的に一話完結で読みやすい本作を、いつの間にか読み終えていました。
バイクで走っている時の描写は、まるで自分がバイクに乗っているかのような錯覚を覚えます。そして、気の合う仲間と走った後は美味しいご飯。ツーリングって楽しそうだな、バイクの免許も取っておけば良かったかな、と思ってしまいました。
バイク好きによるバイクの物語。あなたも一度、バイクの世界を覗いてみませんか?
他の皆さまも、是非読んでみてください。
漫画とかでは人気のあるバイクの走り屋モノです。違うのは主人公が女子大生でネオクラシックのホンダNSRに乗っているところ。NSRは女性が乗るにはいささか大変なバイクですが、走りの描写は至ってリアルです。ライバル?がスズキの『小刀』に乗っていて勝てないというのも、性能差を考えるとなさそうですが腕のいいライダーがチューンされた『小刀』に乗っているというならアリかと思います。ターボを付けるというのもかなり無理がありますが、エンジンブローしてしまうという結末でうまくバランスをとっている。走り屋の女子大生とバイク屋の店長の恋というのも、なさそうでありそうなのがイイ。今のところ『小刀』のライダーの正体が不明で、いずれ明らかになると思いますが『小刀』は作者さんの愛車だそうなので、きっと作者さんの分身なのでしょうね。