魔法の契りで幸せを

魔法。
それは、かつて神が村を救った、神の御業。
村の巫女が民を導いた、奇跡の業。
そう伝わる、伝説上の存在であり、希望そのものだった。

しかし、時が経つにつれ、それは恐れへと変貌する。
数多の不幸が少女を襲ってしまう。
親しい者たちの死、デマ、いじめ、差別……。
今や、魔法は呪いそのもの、少女を不幸へと縛り付ける、柵となったのだ。

それでも、幸せになりたかった。
友達と、大切な人と一緒に、楽しい毎日を過ごす、そんな日々が欲しかった。
だから約束した。
――絶対に幸せになる、と。

その一歩目を踏み出した時だった。
少女が魔法を使えるようになってしまったのは。

魔法。
それは希望であり、呪いそのもの。
少女たちは幸せになるため、ひたすらにあがく。
たとえそれが、いかなる結果をもたらそう…続きを読む