闇色を透徹に綴る、儚くも美しい物語

どこまでも醇乎たる少年の、一縷の望み。
それは優しく綺麗だが、現実と両立するには余りにも酷なもの。
……でも。そこまで残酷で苦しいのは、何故だろうか。清廉な彼の心のせい? あるいは彼を取り巻く現実のせい? それとも……

そんな少年と邂逅するのは、東洋医学の一端を志す青年。
一度は分かたれるも、運命の悪戯か二人は病院で再会する。
心の拠り所を見つけた彼らが、現実を見つめ辿り着いた場所は……

非常に静謐で、闇色を纏う物語を、詩的で美麗な表現が読み手を引き込んでいきます。
闇色を透明に描くと、より克明な闇と、その奥に瞬く小さな輝きの両方が見えるんだなぁと、感慨深く思いました。

是非一度、読んでみてください。

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