概要
忘れたくても忘れられない、恋の記憶
街が寝静まる夜、撤去が決まった桜の木の元に、一人の女性がやって来る。
「もう、諦めないとね……」
別れた恋人のことが忘れられない彼女は、アルバムを開きながら一年の思い出を振り返る。すると、その恋人から動画が届いた……
「もう、諦めないとね……」
別れた恋人のことが忘れられない彼女は、アルバムを開きながら一年の思い出を振り返る。すると、その恋人から動画が届いた……
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!美しく、儚い。何度でも読み返したくなるような素敵なお話です。
一本の桜と、ヒロインの独白で始まる物語。
「……君、もうすぐなくなるんだってね」
冒頭に放たれた言葉がとても印象深く、気になってお話を追いかけると、少しずつヒロインがそこに至った背景と、彼女にとって大切な「彼」の存在が見えてきます。
アルバムの写真とともに辿る景色は、切なさと物悲しさに溢れていて、恋の記憶を辿るほど胸が苦しくなっていきます。
行間から漂う儚さ、一文一文の繊細な心情描写、その言葉運びが美しく、目を瞑れば桜の木と、ヒロインの表情がありありと目に浮かぶようです。
彼の真実を知ったとき、なんともいえない気持ちになり胸を締めつけられましたが、ヒロインの前を向いて歩いていこうと…続きを読む