4人の中の誰かが死ぬ

入学式の日、新たに高校生になった4人の男子は登校途中に怪談「40発弾倉のリボルバー」に巻き込まれる。

それは新クラスの40人の生徒のうち誰か一人が正体不明の銃弾で頭を撃ち抜かれるという怪談。この奇妙な怪奇現象のターゲットに選ばれてしまった4人――永露尚人、速山光汰、礼沢塔哉、サドン崎デス男……果たして凶弾に倒れるのは他のクラスメートか、それともこの中の誰かなのか……。

……僕はホラーとかあんまり詳しくないんで自信はないんですが、誰とは言わないけど、何か一人だけ明らかに絶対死にそうな名前の奴がいますね……。

いや、もうこれタダの出落ちじゃん! そう言いたくなる気持ちはわかるが、実際読んでみるとタダの出落ちじゃないのだ。まずサドン崎の絶妙なウザさを浮き彫りにする会話のセンス。こんなふざけた名前のくせにこういう一人はいたなと感じさせるさじ加減が本当に上手くて、気づけばサドン崎という名前にも違和感を覚えなくなるレベルになるから凄い。

それに突然死ぬのではなく見えない銃で撃たれる「40発弾倉のリボルバー」という設定によって、音を使って死の恐怖を煽る独特の演出。そして終盤で次々畳み掛けるどんでん返しの連続。キャラクターの名前から設定やストーリーに至るまでセンスの塊という感じの新感覚なホラーだ。

「◆第一の怪談 40発弾倉のリボルバー」はきっちり完結しているが、是非この調子で第二、第三の怪談も読んでみたい!


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)

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