学校のデッドリー怪談
ガッkoya
【プロローグ】死ぬのは誰だ
雲が立ち込め、辺りは暗くなっていた。先程まで門出に持って来いだともてはやされていた春の陽気は鳴りを潜め、空気は湿り気を帯びている。
俺達四人は草っぱらの上に立ち尽くし、何か言葉を探すように、あるいは誰かの言葉を待つように、互いの顔を見比べている。
先の言葉は冗談なのだと笑い飛ばしてほしかったのかもしれなかった。それでこの緊張感を取り払ってほしい。そう思う気持ちは俺の中にも存在した。
「どういう事だ。この中の誰かが死ぬとは」
「間違いないと思うぜ。聞いた話と合致し過ぎだ。ただの集団ヒステリーだったら御の字だがな」
「おいおい、ふざけんのはよせよ、死ぬとかなんとか! ある訳ないだろそんな事! 俺はこんな所で死にたくはないぞ!」
「……これから入学式だっていうのにな」
見ないふりは通用しないようだと覚悟を決めた言葉。呟いたのは俺だ。
俺の名前は
今まさに高校に入学しようというこのタイミングで死の宣告をくらった、そんな新高校一年生の内の一人だ。
永露尚人、礼沢塔哉、速山光汰、そしてサドン崎デス男。
今日、この中の誰かが死亡する。
それが一体誰なのか、きっとこの世界の誰にもわからないだろう。ましてや今日の早朝、俺達がこの公園に集まった時点でそれを予測できていた者なんて……。
横目に満開の桜を見上げ、俺は家を出てからここまでの事を思い出していた。
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