生真面目に弄するパンチライン! 蝶よ花よと読者を打つ!

10日間アメリカ大陸横断の旅、その中で「みんなが変態になれば世界は平和になる」となぜか悟りを得た著者さんによる、超壮大で超ささいなエッセイ!

きっかけは著者さんの既存作をご参照いただくとしまして、こちらが結局なんなのかと言えば、1話完結型の小話です。たとえば好きなスポーツを愛でたり、悩みへの対処を論じたり、経験則を語ったり。

小話ですから、ひとつひとつはささいなものです。ただ、そこへ「変態」を掲げる著者さんの心情や信条がマシンガンのように撃ち込まれることで、ささいな話は思わぬ方向へ流れていって、最後にすとんとオチるんです。

そうです、なに言ってんだこの人? と思わせられずにいられない文字列のすべてが、実は太い伏線になっているのですよ。その有り様はまさにパンチライン! 文章の小気味よさというものを、これでもかと味わわせてくれるのです。

主張、妙味、余韻。全部乗せな言葉の連打に、ぜひともノックアウトされていただきたく!


(「カクヨム公式レビューをねらえ!」Vol.01/文=髙橋 剛)

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