10日間アメリカ大陸横断の旅、その中で「みんなが変態になれば世界は平和になる」となぜか悟りを得た著者さんによる、超壮大で超ささいなエッセイ!
きっかけは著者さんの既存作をご参照いただくとしまして、こちらが結局なんなのかと言えば、1話完結型の小話です。たとえば好きなスポーツを愛でたり、悩みへの対処を論じたり、経験則を語ったり。
小話ですから、ひとつひとつはささいなものです。ただ、そこへ「変態」を掲げる著者さんの心情や信条がマシンガンのように撃ち込まれることで、ささいな話は思わぬ方向へ流れていって、最後にすとんとオチるんです。
そうです、なに言ってんだこの人? と思わせられずにいられない文字列のすべてが、実は太い伏線になっているのですよ。その有り様はまさにパンチライン! 文章の小気味よさというものを、これでもかと味わわせてくれるのです。
主張、妙味、余韻。全部乗せな言葉の連打に、ぜひともノックアウトされていただきたく!
(「カクヨム公式レビューをねらえ!」Vol.01/文=髙橋 剛)
おもしろいです。めっさめんどくさい友達のよう(←褒めてる)
hentaiってのが正味の話どういうものなのか、ひとによってとらえ方は違うと思いますが、細く長く続く大人の中二病のように「自分は変わってるんで」と誰彼なしに言いたい地点から、「あのさあ、こんなん言うて分かってもらえるかわからへんけどさあ」とほとんどひとりで呻いている地点までは、相当の距離があるはず。
前者とは一緒に飯を食おうかなんて気絶対に起こりませんが、後者がひとたびその所感についてごにょごにょ喋り出せば、あはははははは、じゃあまあ、続きは餃子でもつつきながら、とか言ってそのへんの王将に連れて行っておっけーお兄ちゃんビール、というコースになるでしょう。わたしはなります。最終的に奢る。そういうエッセーです。伝わらないかしら。その場合はなおのこと読めばいいと思う。兄ちゃんビール。