彼には最初からきっと分かっていた。その花が何を意味しているのかを。

主人公である彼には大切な女性がいる。そんな彼女がある日、花を拾ってきた。5枚の花びらをつけた白くて綺麗な一輪の花を。
彼女が大切にしているその花。
花は嫌いだなんて言った彼だけど、大切な彼女の大切な花。
世話をしないわけにはいかない……。

だが、どんなに丁寧に手入れをしても花はいつか枯れてしまう。
彼女の大切な花も例外ではない。
一枚……また一枚と……。

主人公の彼はもしかしたら初めからこうなることが分かっていたのではないだろうか。
あまりにも似過ぎていたから。
それなら彼が花を嫌った理由も納得できる。

大好きで大嫌い。大嫌いだけど愛おしくて大切で……。
今日も彼は花に水をあげるだろう。

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