泣かない鬼と、笑う魔女

博士はどうしたんでしょう？

夜空と月と、空飛ぶホウキの情景が目に浮かびますわ。とても綺麗。まとまりが良く過不足ない文章。これだけの技術があったら長編もきっと素晴らしいでしょうね。続きが読んでみたくなりました(๑˃̵ᴗ˂̵)

実験体という歪んだ環境ながらも素直に育ったのは博士の愛情のお陰なんでしょう。
これからミチはどんな世界を見にいくのか楽しみです。

　実験室という閉鎖的な世界で暮らしていた鬼の子。
　その鬼の子の実験に携わっていた一人の心優しい博士。
　鬼に殺されるために、実験室へと送り込まれた魔女の少女。

　この三人が出会った時。
　パズルのピースが揃ったように、物語は動き始める……。

　この作品の一番の魅力は“変わりゆく気持ち”だと思います。
　実験室という閉鎖的な世界でしか生活してこなかった鬼の子。
　彼の一人称視点で物語は進んでいきます。
　その特殊な環境で育った故、彼は無知で幼い。
　まぁ、知る必要なんてなかったんです。世界のことも自分のことも。ただ、実験さえこなせば……ご褒美がもらえたから。

　だが、一人の博士は彼に外…続きを読む