市役所職員の〈おれ〉に降りかかる、どこまでも果てない不条理。絡みつく不快感(褒め言葉です)が癖になる作品です。自身の冷酷さに鈍感になっていた男を襲うその罰(の内容は物語の根幹に触れるので書けませんが)は読む側に後を引くような感覚を残します。
ドストエフスキーの『罪と罰』の漫画版(落合尚之、漫画アクション、敬称略)に、『人は悪事を働いたら裁かれる権利がある』という主旨の台詞があった。 内実がどうあれ、本作の主人公は職務そのものについては『忠実に』実行を果たしていた。ある事柄における資格を審査しており、無論、犯罪とは一切無縁な人生である。 そんな彼がああした結末でああした権利を主張するとはなんともいえない気分になる。 詳細本作。
裁きの重要性をまさかあんな形で知ることになるとは、思ってもみませんでした。
文章から伝わってくる狂気が凄かったです。
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