狭間で揺れ動く、永遠

 天使と名乗る女性と駆け出し作家の僕の交流を描いた物語です。永遠の小説を書きたいのか、延々と小説を書きたいのか? レアエルは僕に永遠の小説の書き方を講義していきます。キーワードとなるのはもちろん「永遠」なわけですが、二人の心情の変化やレアエルの教えの数々が後から一気に効いてきます。天使と人間の交流にはいつか終わりがやってきます。芽生えた恋心を自覚したとき、小説を書き続ける僕は何を選択するのか。
 切ない恋に胸を痛めながら終盤を読んだとき、私は一瞬理解が追い付かなかったです。「これはどういうことだ?」と思ってもう一回頭から読み直して、彼の選択を理解したようなつもりでいるのですが、なんというべきかぞわりとしました。レアエルの言葉ひとつひとつが突き刺さります。レアエルもまた二律背反の思いに悩み、僕に願いを託したのかな、と感じました。