囚われたのは誰?

いきなり現れた天使、永遠の物語を書けという。
合わせ鏡のようにどこまでも続く物語。

主人公は左から右へと原稿用紙の白を埋めていく。
「埋める」。
すぐ次を書かなければ、決まっている「その後」を書くことができないということだ。彼はいつもそれで苦労している。
天使はそんな彼に他愛もない話をしていくだけ。

そして言う。
「永遠に小説を書くんじゃなくて延々と小説を書くんだね」
「小説に囚われちゃいけないよ」

結局、囚われたのは……誰でしょう。