クリスマスの夜に届いた謎のケーキ。そこから始まる恐怖の一夜。

本作品の魅力は、ミステリアスな設定と、読者の背筋を凍らせる怖さにある。

誰が用意したのかわからないケーキ、不気味な視線、真夜中の訪問者という不穏な空気が、終始物語を支配している。

また、事件後の男の心理描写も丁寧になされており、恐怖体験が男に与えた影響の大きさがよく伝わってくる。

特に、忘れ去られた過去が、思いがけない形で現在に影響を及ぼすという、誰にでも起こりうる恐怖を描いた点が光っている。

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この小説の終始張り詰めた緊張感とサスペンスに満ちた展開は、ページをめくる手が止まらなくなる。

ラストの事件の真相が明かされる場面は、驚愕とともに背筋が凍る思いがするだろう。

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