向日葵と灯籠

僕は今年も彼女の帰りを待つ。
8月13日、そろそろ帰ってくるだろうか。
もうすぐ、玄関の引戸が"からら"と開いて懐かしい彼女が聞こえるだろうか。



「ただいま」

全てが昨年と全く同じ。
だから僕も同じように応える。

「うん、おかえり」

昨年と何ひとつ変わらない彼女。
そっと抱きしめた身体から微かに向日葵の香りがした。



※4話で完結です。各話は1500字前後です。
※このお話はフィクションです。実在の人物又は場所等とは一切関係ありません。
※登場人物には敢えて名前をつけていません。
"僕"を読者様、"彼女"を貴方の大切な人だと思ってお読みくだされば幸いでございます。