「他人は敵」「普通とは何か」といったような、思春期に抱きがちな心情を、「体が硝子」という体質に反映していたように思います。
「珍しがられる→それに反発する→嫌われる→一人ぼっちになる」というやり公式が出来上がっていたんですね。でも保健委員の子はその公式から外れた反応を示しました。居心地が良かったというよりは、おそらく目新しい反応に主人公は好奇心を抱いたのではないでしょうか。それはまるで、ずっと同じ格好でいた人が背伸びをした時に感じる感覚のようなもので……。
あと、胃の内容物はどうなるのだろうという疑問に言及していたのも嬉しかったです。体の仕組みに関して言うと、透明ということは、網膜も透明で、ということは網膜が光を受け止められないということになり、視力にも問題が出てくるのじゃないかな、という気もしました。その点も、ちょっと読んでみたい気がしました!