蛇足(番外編的なもの)

ありふれた日常の幸せ

「ねえねえ、ソフィア、ソフィア!」


 いつも私の元に訪れる少女が、いつもに増して嬉しそうな笑顔をして、私の名前を呼んでいる。


「どうしたの」

「ねえねえ、見て見て!」


 ふふーん、と少し偉そうな顔をして出したのは、上の方に赤で100、と書かれた白い用紙だった。


「算数のテスト、100点だったの!」

「テスト……?」

「テストはテストだよ!100点取ると、褒められるの」

「そうなんだ」


 テストで100点を取ったことの何が嬉しいのかは分からなかったけど、少女の笑顔を見るだけで私は心が温まるような気がするのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

終末の感情人形《フィーリング・ドール》 聖願心理 @sinri4949

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ