怖い話27【おみくじ】800字以内チャットノベル
雨間一晴
おみくじ
「ユミ結局来なかったね」
「あんたに彼氏出来たからじゃない?ユミも好きだったみたいだし、モテるよね、ケンジ君。モデルやってて高校生に見えないし」
「かな?まぁいいや、おみくじ引こうよ。えーっと、百円入れてっと。やった!大吉だ!」
「えー、ずるーい!何て書いてあるの?」
「えーっとね、油断しなければ願い事は叶います。だって!そっちは何だった?」
「見てみる……、うわ、凶だ、最悪。する事なす事すべて思い通りになりません。だって……」
「うわ、ヤバイじゃん」
「はー最悪だよー。あんただけ彼氏いて、しかも大吉とか、不公平なんだけど。あー腹立つ。どっかの木に結んでこよ」
「え、待ってよ、どこ行くの?」
「誰も結んでない木に結ぶ!」
「あんまり奥にいったら危ないよ、もう森みたいじゃん」
「え、なにこれ……?」
「なに?どうしたの?え、わら人形?うわ、それ、うちらのプリクラじゃん……え、私の頭に釘刺さってるんだけど……」
「え、なにこれ、私じゃないからね!私とユミとあんたが写ってる奴じゃん!ユミがやったんだよ!」
「嘘でしょ。これを見せるために、ここまで連れてきたんでしょ!ねえ!そうなんでしょ!そんなに私だけ彼氏いるのが憎かったの!ねえったら!」
「ちょっと、やめて、苦しいよ……。やめてったら!」
「痛い!なによ!そのトンカチ!やっぱりあんたが打ち付けたんじゃない!」
「違うって言ってるだろ!よくも首絞めてくれたね、殺すつもりだっただろ!」
「痛い痛い!やめて!ねえ、やめて!ちょっ……」
「はぁはぁ、ざまあみろ。あれ?なんか頭に垂れてきてる?え、ユミ……?」
「……」
「はは!あんたが、わら人形打ち付けたんだ、なにそれ?なんでそんな高い所で首吊ってんの、ウケる、はは」
「……」
「はぁ疲れた。二人とも死んじゃった……。やっぱり、おみくじなんて当たらないじゃん。はは。まぁいいや、これで、ケンジ君は私のものだね」
怖い話27【おみくじ】800字以内チャットノベル 雨間一晴 @AmemaHitoharu
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