この作品、あえて一言でいうと「凄い」。
これに尽きます。何が凄いってのは実際に読んでもらえればすぐわかると思うんですけど、物語の吸引力というか、続きが気になってページめくる手が止まらないんですよね。
つまりリーダビリティが物凄いんですよ。私、web小説ってのは手軽に空き時間に読めるのが良いって思ってたんですけど、もう見事にこの作品にハマってしまって、読み始めてからずーっと読んでました。終わるまで。それくらい、「凄い」作品です。
キャラの立ちぐあいとか軽妙な会話とか物語の謎とか、ふんだんにちりばめられていて、もうとにかくエンタメとして完璧に面白い。
さぁ、何を読もうかなとお迷いの貴方様。これを手に取らない手はないですぜ!
おれたちは同じ夢を見ているらしい。
それを起点に走り始める物語。ならば夢の中で集合してみようか、という話になるのですが、暗く薄気味悪い夢の世界を知れば知るほど、謎はどんどん深まっていきます。いったいこの世界はなんなのか。
ふうむ、どうやらこれは桃太郎。
桃田を主人公に、猿、犬、雉を引き連れて、鬼を退治しなければいけない物語。
だけどちょっと待て、何かがおかしい。何かが歪められている、それは夢の世界だけではなく……。
ゆえに決して元の物語通りに終わらないこの話。結末は是非ご自身の目で確かめてみてください。
会話シーンの進みがとても自然で、すらすらと読み進められる一方、ところどころに挟まれる比喩もすごく綺麗に飾られていて、様々な面で楽しめる一作です。
オススメです。
高校生の桃田は不思議な夢を見ます。どことも知れぬ街を何かを探して走る、走る――そんな夢。
夏休みがあけて友達の拓海に再会し、なぎさという少女に出会い、そして偶然に知るのです。三人は「同じ夢を見ている」と。
そこからはじまるのはホラーミステリー、それでいて登場人物の会話にはくすりとさせられることもあり、ホラーが苦手な人でも楽しめるかと(一部流血があります)。
キャラが非常にそれぞれ立っていて、一人一人が印象に残ります。
何が本当で何が嘘なのか。登場人物たちは『桃太郎』に由来する名を持つけれど、その意味は何なのか。
推理しながら、時には登場人物の掛け合いに笑って、時にはホラー演出に怖がり、様々な魅力がぎゅっとつまった物語があなたを待っています。
ところで。あなたは<鬼影の呪い>を知っていますか?
知らないなら――これから彼らと一緒に、呪いを味わってみませんか?
17万文字と感じないほど読みやすいので、まずはページを開いてみて下さい。
この冬一番のミステリー巨編『幻想街の鬼退治』が完結を迎えました。コメディとして、ラブコメ恋愛モノとして、鬼退治の冒険活劇として、そしてもちろんホラーとしても優れた本作ではありますが、私が一番推すのは、ミステリー要素ですっ!
本作の謎解きは難解を極めます。その原因は、現実世界や自らの記憶さえも『鬼影の呪い』の影響によって歪められ、何が正しいのか、真実であるのかがまったくわからないのです。
正直、私自身は、
『呪いで何でもありなんだから、考えるだけムダじゃ〜ん!』
と、思考を停止させていた時期もありました。ただ、それはもったいなかったな。
実際には、随所に伏線が張り巡らされていて、『後出しじゃんけん』的なズルい謎はなかったように思います。
考えれば謎は解けるっ! ……かもしれません。でも相当ハードで難解よ? 私の頭は難解(何回)ショートしたことか。脳細胞が活性化されてたら嬉しいんだけれど、脳細胞が半分くらい死んだかもしんない。
この小説は、キャラクターが個性的で魅力的でね♪
個人的には、ホラーヒロインの子が良い♡(名前は伏せます) 結構ヤバいところがあって、ぷち『貞子』さんですか! ……的な場面もあったり、なかったり。
このホラーヒロインは完全には退治されてなくて、読者の要望が多ければ、いつでも復活して、さらなる呪いを仕掛けてくることでしょう。
取り敢えず私は、続編希望に一票入れときますね。
あ〜、この作品、読者選考突破してほしいな〜☆
小説として薄っぺらい、しょーもない小説もどきが営業活動によって通って、本作のような読み応えのある作品が通らないのであれば、カクヨムというサイトの恥ですよ?
竹神チエ先生を国会に! 皆様、清き一票をお願い申し上げます。
竹神チエ先生、完結お疲れ様でした。
ホラーヒロインの子がどうなるか、ちょっぴり気になりますけれど、概ねハッピーエンドでしたね。本作が多くの方から支持を得られるよう祈っております。
夢の中で、高校生の桃田はいつも同じ街を走っている。恐怖に追われるように、いつも誰かを探している。何度も何度も繰り返し見る夢。たかが夢だと思っていたのだが、ある日、桃田のほかにも同じ夢を見ている友人たちがいるとわかって……?
呪いによって変わってしまったらしい世界。二重の記憶。つきまとう違和感。現実はどこにあるのか。今の自分はほんとうに自分なのか。現実も記憶も、信じられるものがなにもない。
それは登場人物たちだけでなく、読者もおなじ。すぐそこにありそうな真相がわかりそうでわからない。届きそうで届かない。指先にふれたかと思ったらするするスルスル逃げていく。
はたして『鬼影の呪い』とはなんなのか。呪いをかけたのは誰なのか。呪いを解いた先に待つものは。
ラブコメで青春でミステリーで、そしてジャンルはホラーです。ちゃんとホラーです。話が進むにつれて、えーとか、うわーとか、ひぃーとかなるびっくりポイントもひそんでいます。桃太郎メンバーのほか、猫もいます。
喜怒哀楽、いろんな感情をもらえる物語。ぜひご覧ください。
桃太郎なんですよ、桃太郎。
だって主人公が『もも』で、雉も出てきて猿もいて。
でもね、犬がいないんです。そのかわりに鬼がいる。めっちゃ可愛いヒロインのなぎさちゃん。えっ、でも『鬼』だし。この子を倒すの?
そう思うじゃないですか。
あとは犬だよなぁ。犬がそろったら鬼を倒すのかなぁって。
違うんですよ。
1話読む度に「えええ、そう来る?」と驚かされ、時に「ちょ、お前、からあげ小僧!」と突っ込み、時に「ホラー、キタ――((( ;゚Д゚)))――!」と怯え。コメント欄も大騒ぎです。
そして最後には熱い熱い友情!!泣く!!これは泣く!!!!
こんな桃太郎読んだことないです。
完結しましたんで、一気読み出来ます!
ぜひぜひ!!
結論から言うと気持ちよく騙されました。
まあ、毎回毎回騙された、というか予想外の展開に振り回されたというか。
主人公である桃田くん、彼は桃太郎の役割なのに情けないし優柔不断。
強いて言うなら優しさだけが取り柄の少年。
脇役の猿川や猫のキビちゃんの方がしっかりしています。
しかし、そんな優しさがキッカケでトラブルを招くことに……。
ホラーと謳っていますがラブコメ要素とキャラクターの魅力がかなり強めです。
もちろんホラーなので怖いところはしっかりと怖がらせてくれます。
とにかくこちらの予想の数段上を軽く行く物語でした。
後は読んでのお楽しみ、ということで。
奇才竹神チエが描く、全世界を震撼させる大作ホラーがここに完結!
【――あの夢を見ている】
幻想街――桃田は全力で走っていた。行き交う人々の間を縫い、何かを探し、何かを思い出すように。
そして、覚める……
【みんな同じ夢を、見てる!?】
桃、猿、雉……そして、なぎさが顔を見合わせる。
幻想街。何かに引き寄せられるように集められた四人。それはまるで、御伽噺のように。
【――俺たちの目的は?】
深まる謎。絡み合う人間関係。
記憶が、過去が、現在と絡み合い、桃田の行く手を阻む。
何を信じるべきなのか、わからない。
【俺が――俺が好きなのは……】
過去に飲み込まれていく、現実。
現実を書き換えていく、過去。
塗り固められた嘘と、朧気な現実が交差する。
【にいに?】
【好き好き好き】
【失恋したぁぁ】
【犬は?】
【から揚げ食べたじゃん】
【から揚げ……】【から揚げ】【から揚げ】【から揚げ】【プレーンの】【から揚げ】
【食べたじゃん……】
――幻想街の鬼退治
貴方はこの恐怖に耐えられるか――
Now showing……
「貴様の妹の命はもらう。ふはははは」
「にいに。キモイ電話だよ。切っていい?」
妹が電話を放り投げる。
桃田は慌ててそれをキャッキした。