滑らかに典雅な日本語の、何とも魅力的な美しさ。ぜひ味わって欲しい!

第14話を読み終えた段階でのレビューです。

美しい瑞獣と帝との間に生まれたそれは麗しい兄君と、人間である皇后と帝に生まれた弟君。ある理由から、弟君が今上帝として立ち、兄君はひっそりと身を隠すように過ごしています。瑞獣を母とする兄君の美しさに、主上は深く心を惑わされ……そんな、なんとも雅に妖しく美しい世界を描いた物語です。
ぜひ味わっていただきたいのが、この物語の語られる言葉の美しさです。『源氏物語』さながらの世界が、なんとも滑らかに典雅な日本語で綴られています。古文を思わせる語り口でありながらするすると脳に流れ込み、細やかに美しい情景が目の前に描き出されていく心地良さ。格調ある淫靡さと相まって大変独特な魅力に満ちています。

物語はまだ序盤ですが、典雅な妖しさに満ちた美しい世界をたっぷり楽しませていただきたいと思います。

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