各々の生きようとする曇りなき姿

全体的世界観は読者にとってもイメージがつきやすい、漠然と見知ったものなのに対して、個々の設定は非常に緻密に描かれている。

過酷の二字があまりにも的確な“日常”
繁栄と淘汰、自然と人間、群と個。
自然の力と対照的な人間の立ち位置。

しかし、旧世界を超越した次なる世界の到来の予感は、対照が際立つ現在とは違ったところから発芽してくる。
主人公の数奇な運命は未だ序章であるような読後感が感慨深い。

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