冒頭からラストまで、ずっと惹きつけられる傑作短編

短編でヤンデレを語るとなると、時としてテンプレに陥ちがち。
しかし本作では、それぞれのキャラの反応が巧みに描かれていることで、短くも中身の詰まった物語に仕上がっている。

論争というのは、いわゆる議論と違って、お互いの主義主張がぶつかる状況を指すが、それをしっかりとストーリーに組み込めているのが魅力的。
作者の意見表明としてではなく、キャラの個性として機能しているからだろう。

ヤンデレ本人と対峙してからの今後が気になる、優れた導入だと思う。