たゆたう物語

 異世界ものの話でありながら、物語はゆっくりと丁寧な情景描写と穏やかな語り口で進んでゆきます。

 そしてまたこの物語は、恒には忘れがちな『わたし達はいまこの瞬間に於いても、歴史の流れの中に身を置いているのだ』ということに気づかせてくれる物語です。
 
 人の営みとは時に愚かで、哀しく、切ない、なれどなぜこんなにも愛しい。
 読み終えた後、そっと瞼を閉じて想うのでした。

 雨の夜長に、ぜひ一読下さい。

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