神々の意思

第4話 惑星への操作

宇宙空間に銀河ができ暫くしてから、また右手が現れた。

半透明の右手である。

今度は手の大きさがわかる。

銀河の　１／１０程度であろうか・・・

ただし、前回現れたときと大きさが同じかどうかはわからない。

その手に、何か細い物が握られている。

すると、その手の側に、別の半透明の右手が現れた。

そして人指し指から光が出た。

その光は、ある銀河の惑星に当たった。

恒星の近くを回る星だった。

すると、最初に現れた右手が動き始めた。

光が当たっている星に、握っている細い物を近づけていく。

近づくにつれ、手に握られた細いものがはっきりと見え出す。

指された惑星の 1/１０ 程の太さの金属製の針に見える。

針を惑星の表面に付け、直ぐに離した。

すると先ほど光を出していた右手は別の銀河に移動した。

そして同じようなことを繰り返す。

手を加える銀河は、ランダムに選んでいるようだ。

この様子は、まるで卵子に人工授精を行う作業に似ている。

この作業は種子が爆発した中心付近から始まった。

そして、時計回りに最遠の銀河までこの作業は続いた。

やがて、二つの右手は徐々に透明になり消えた。

それから暫くすると、操作された惑星に変化が現れた。

赤茶けた色や、黒ずんでいた惑星が、雲に覆われ惑星内部が見えなくなった。

さらに時が経つと・・

惑星を覆っていた雲が途切れて惑星の表面が見え始めた。

ある惑星は青々とした海のような物が見え、

ある惑星は真っ白な物に覆われている。

別の惑星は、真っ赤な溶岩が至るところから吹き出ていた。

さらに別の惑星は、至る所で砂煙が上がり地表が見えない。

どうやら、神は惑星個々に別の処理をしたようだ。

何を目的として、このような処理をしたのであろうか・・