第6話 カイリ
無空間使用が決まってから、私は多忙となった。
そして、無空間の実験装置の用意が整った実験初日。
無空間のスペックを確認する。
温度 絶対0度 (-273°k)
空間物質 0%
真空度 100%
範囲 1000光年
よし、問題ない。
この実験のために作った宇宙創生のための種を手にとる。
苦労したぜ、この種には。
錬金術のやつに種の中身の作成を頼んだのがいけなかった。
あいつには、手を貸す条件として、だいぶ奢らされた。
まあ、その代わり、さすが奴だけのことはあった。
満足できる種ができた。
種のプログラムは自分で行った。
本当にたいへんだったよ。状態変化とパラメータ調整が・・・
まあ、おかげで数十年、休憩をとれなかったけどね。
さあ、この種を置こう。
種を無空間の装置に置こうと左手を突っ込む。
あっ! いけね、種をもっているのは右手だった。
あわてて左手を引っこ抜く。
かわりに右手を突っ込み、無空間の真ん中あたりに種を置く。
よし、実験開始だ。
種が置かれた状態で無空間の状態を確認する。
温度 絶対0度 (-273°k)
空間物質 種のみ
真空度 100%
範囲 1000光年
よし、問題ない。
種の起動、開始。
発動まで、3・・2・・1・・0!
よし、発動。
問題なし。
空間物質の広がり状況は・・・よし、想定内。
どうだ~・・・空間物質は規定内で広がるのを制御できるか~・・・
よし、等速度運動に切り替わった。
じゃあ、次はこれを持って・・・
よっと、右手に持ったし、無空間に入れてと、一滴を、ほいっ!と。
よし、成功。
どれどれ、おお~!!いいじゃん。いいじゃん。
俺って天才だ!
うん、ダークマターもうまい具合だよ。
とりあえず、ここまでは順調だね。
では、星の生成を記録しますか。
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