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- ★★★ Excellent!!!のこされた人たちが好きなあなたへ
どこからどこまでが、『仕掛けた魔法』だったのだろうと思いまして。
絵里子は、自らがそうなることを予知した上で、圭一と彼女が打ち解けるように──圭一が自棄になったとき彼女が救いとなるよう仕向けたのではないかと。小指が描いた文字のすれ違いさえも。圭一が、そっと頭をなでずにはいられなかった、魔術の"抜け"さえも。全ては──計算高い魔術師の手のうちで。
けれど、絵里子にできたのは『予め知る』ことだけだった。
「私は魔術師なのよ」
不明瞭が犇めくただなかで。青空と虹を背負った魔術師でありたいという気持ちは本物だったのでしょう。
無様さを目の当たりにすることで乾きが癒された。私たちは、ときに傷…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「その小指は私の要素でした」
雲をつかむような存在の姉。
恋人、家族を悲しませ、胸をかきむしる思いをさせた姉。
ある日、小指という不可思議なものが、わずかな女の象徴として表れます。
それが、心を支えてくれるほどの大きな象徴になった日。
すべてのミステリーがあきらかになりました。
魔術を使う恋人を慕っていたのは、僕だけじゃなかった。すがりつきたいと願う、その絆も愛しいです。
謎が解ける快感を味わうだけ?
いいえ。このミステリは文学的に優れたファンタジー。
美しい比喩表現や言葉ひとつひとつ丁寧に紡がれたその世界観を、皆さんに感じて頂きたいです。
唯一無二の想像力と圧倒的な筆力で書かれた物語を、どうか一度味わってみ…続きを読む