200カオス おめでとうとありがとう

 おかげさまで、無事、200話を迎えることができました。これもひとえに、このエッセイをフォローしてくださっている方、通りすがりに目を通してくださっているあなた、みなさんのおかげです。ありがとうございます。


 今回は、200話到達を記念した特別編としてお送りしたいと思います。


「200話なににしよう」


 そう考えたときに思い出したのは、子どもの頃、持っていた絵本『てがみのえほん』でした。この本は、福音館書店の月刊絵本こどものともの通巻200巻記念号。12の絵本の世界からお祝いのお手紙が届くという内容の絵本でとても楽しいんです。


「バラエティに富んだ内容が楽しいんだよなあ」


 そんな絵本のようなエッセイにしたかったのですが、なかなかバラエティに富んだエピソードというものもありません。


「どうしようかな」


 ……。

 ……。

 ……❗️


 決めました。200話を記念して、バラエティに富むわたしの短編小説をわたし自身が特別解説しよう!


 えっ、大きなお世話?

 そう言わずに、ちょっと宣伝させてください(汗💦

 つまらなかったら読み飛ばしても構わないんで、いきますよ〜。『てがみのえほん』にならって12本の小説紹介します。気に入ったら読んでみてくださいね。



No.1『それ「青」やで!』


 人が「創作のひらめき」と出会った瞬間を切りとって描いた小説ですが、じっさいにわたし自身が中学生だったころの体験が下敷きになっています。わたしも主人公と同じように運動靴を描いて「Aプラス」をもらったんですよね〜。あの絵、どこいっちゃったんだろうなあ。われながら「あのとき」が事実以上に感動的に描けた傑作だと思います(著者比)。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054917784344/episodes/1177354054917784782



No.2『わたしのつばさ』


 小説を書く才能がほしい。才能ってなんだろうと悩んでいるとき、ふと通勤中に降ってきたアイデアがこれ。才能を「つばさ」に例えたファンタジーですが、とても気に入っています。わたしは主人公と同じで「つばさ」はないと感じるのですが……でもねと、余韻の残る描写が我ながら最高なんですよ(自画自賛炸裂!)


https://kakuyomu.jp/works/1177354054917720255/episodes/1177354054917720441



No.3『プログラム:カタオモイ』


「片想い」をお題にもらったときに書いたのですが、そもそもわたしは非恋愛体質。恋に落ちる瞬間というものがよく分からず、ネットで調べて「尊敬する気持ちが、恋心に移行してゆく」というセオリーをベースに恋愛小説に挑戦してみた小説。この相手となら片想いにならざるを得ない――というシチュエーションがおもしろい。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054890784990/episodes/1177354054890785047



No.4『縁日』


 内容は陰惨でホラーテイスト。読者を選びますが、残酷にしか描けない真実というものもあるのではないかと。これじつは、子育て中の奥さんと2、3歳の頃の息子との戦いを見ながら書いたんですよね。もう5年くらい経ちます。見ててヤバいんだ、育児に疲れた奥さんが。でも、我が家では悲惨な事件は起きませんでした。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054918532023/episodes/1177354054918532610



No.5『虚空のポートレイト』


 書き上げた当時、「お涙頂戴小説だ」とけちょんけちょんに批判されましたが、これがじっさいの話だとして、わたしの命と引き換えに息子の命が助かるなら、わたしはぜったいじぶんの命を差し出すと思うんですよ。お涙頂戴で悪いか! これがわたしの真実だ……という小説。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054890442568/episodes/1177354054890442622



No.6『彼女は孤独な夜の女王』


 シチュエーションではなくて、人間を描かなければならないと悩みはじめた頃の作品。納得いかない描写もあるのですが、ただひとつ、主人公の女性が妹に絡んでくる軽薄な男を平手打ちして啖呵をきるシーンは書いててしびれました。しびれる文章に出会う瞬間というのは、創作する人にしか訪れない奇跡だと思う。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054885420747/episodes/1177354054885420760



No.7『機巧の肖像』


 唯一、公募賞に応募した小説として思い出深い作品。当時はよく書けたと思っていましたが、今読むとやはり物足りないですね。落選もやむなしでしょう。ただ、応募するに当たっては何度も推敲して書き直してるんですよ。文章の精度を上げるのは大変だと実感したのがこの小説でした。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886959297/episodes/1177354054886959385



No.8『紅蜻蛉(あかとんぼ)』


 わたしが働く職場は体育会系なんですね。マッチョで力の信奉者――的な人も多い。でも個人の力って、組織の力の前には無力だよと思って、そのことを小説にしようと書きはじめた時代小説。司馬遼太郎によると、あの宮本武蔵も一介の剣術家としてではなく「兵法家」として身を立てたいと考えていたとか。宮本武蔵かあ……。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886658579/episodes/1177354054886658634



No.9『竜宮異聞』


 内容は、みなさんご存知の「うらしまたろう」です。ただし、主人公は太郎ではなく、乙姫。視点を入れ替えると「うらしまたろう」はどう見えるのか、興味ありませんか? それとわたしが気に入っているのは、時代がかった文体。好き嫌いのある文体ではあるのですが、わたしは好きだなあ。これだけでご飯何杯もいける。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886115618/episodes/1177354054886115623



No.10『ここにいる「I am here」』


 わたしは、くどく描くよりはクールに描写したいと考えていて、これはこれまででもっともクールな文体で書けたと思う作品。描くべき対象と距離とる文体は賛否あると思いますが、ラストで主人公が見守ってきた女子高生とすれ違うシーンは……我ながらかっこいい(また、自画自賛でた!)。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054887558968/episodes/1177354054887559008



No.11『盗まれた日曜日』


 これは言葉の魔力を感じられる小説です。かの文豪も信じていたように言葉には魔力があるんですよ。あなたも知ってるでしょ。そう、カニマドミニウスのことです。大きな声でいっちゃだめ。いいんですこれは。だから許されているんです――わかりますよね?


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886076678/episodes/1177354054886076686



No.12『わたしの欠片』


 わたしは繰り返し「描く(書く)」ということを書いてきて、これからも書いていくのだろうと思うのですが、いままででこの作品が一番「書く衝動」に近づいていると思う。だって、クライマックスを読むといつも感極まって泣いてしまうんですから(笑)いまのわたしのベンチマーク。これよりもっとすごいのを描かないとわたしは先へ進めないんです。足枷です。最高。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054889685211/episodes/1177354054889685470



 どうでしょう、200話記念。

 気になる小説はあったでしょうか。カクヨムに30作以上あるんですよねー、いつの間にか。よかったら覗いてみてください。


 さあ、300話記念は、なにするかな〜❗️

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