最後の問いかけのせつなさ

短編作品にはユーモアを求めて読み漁っているのですが、タイトルにつられてぽへぽへと軽い気持ちで読みだしたら、表題の通り最後に持っていかれた。問の内容自体はなんてことないのだ。ただ、ストーリーも逸れることなく、練られた設定をそつなく活かし、見事な文体でしむきっての、そこから放たれたむせ返るような独白からの問いなのだ。作中、どこか幽鬼のような静けさを貫いていた主人公が、まさに人間性すべてをさらけ出して、あの言葉を紡いだのだと思うだけで、もう切ない。

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