ゆるゆると、時に生々しく

 タイトルのとおり、41歳という微妙な年齢の主人公がゲームの世界の少年に転生してしまう小説。

「15歳の健全な女の子らしくムチムチとしていて、しっかりご飯を食べて運動していると分かる。」

 などとリアルなリビドー描写を無邪気にブチ込んでくるあたり、絶妙な年齢の主人公の心理状態がかなり切実に描かれている感じがします。

 とはいえ都合の悪いストーリー展開は回避しなければならず、しかし転生したのがゲームの主役ではないので、モブキャラの身でありながら先手を打っていろいろな対策を講じていきます。

 ゲームをやりこんでいるのでそのへんの機敏はお手の物な主人公ですが、まるで主役が出てこないという「どうにもならなさ」ひとつに引きずり回される話の流れは、コメディチックに楽しく読むことができます。おすすめ。

その他のおすすめレビュー

忠臣蔵さんの他のおすすめレビュー32