哲学とは考える事、詩とは感じる事

最も身近でありながら、最も遠くにあるもの。『死』

これは言うなれば異なる世界の物語である。だがこの作者が紡ぐのは、よくある魔法や剣に彩られた異世界の話では無い。
我々が生きるこの世界と同じ摂理の元で構成された世界、只一つ違うのはその価値観。

作者がポリティコン・ノミスマと表現するそれは社会通念のようなもので、一般常識ともいえるかも知れない。
だが考えてみれば常識とは人の認識の上に成り立つもので、自然界の摂理とは無関係の代物である。
その常識が常識で無くなった時……


さて、このように一見首を傾げるようなテーマを中心に据えながら、しかし一つのエンターテイメント(しかも上質な!)として読者が物語に深く入り込む事が出来るのは、この物語全体が詩によって彩られているからだろう。
作者の紡ぐ言葉、それは美しい詩なのである。

難しく考える必要は無い。ただ読めばいい。そうしたらきっとあなたもこの作者の世界を感じる事が出来る筈だ。

さあ、一緒に飛び込んでみよう!

条理と不条理の向こう側、いざ、詩一ワールドへ!

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