『縦ロール依存症』――このパワーワードの破壊力を、見よ。

 今いいところ(56話あたり)なので、もう少し後で書こうとおもったけれど、我慢できなくて、書いてしまいました。

 当方は男子なもので、女性のお化粧に対する感覚を理解できるとは到底言えません。古い少女小説(コ〇ルト文庫)で「すっぴんで出歩くのはすっぽんぽんも同じ」みたいな描写をみても「ふーん」とか、思うくらいでした。が、この『依存症』のあたりを読ませていただいた時のヒロインのうろたえようを見て
「心許ないって、依存って……おおう。そこまでか……」
と改めて思った次第。

 作中、変装とかコスプレとか着ぐるみとか、物凄い比喩が飛び交っておりますが、ルパン三世が変装を解いたら落ち着かない心境になるなんて話はありません。ヒロインだって、ある意味意図的に計算づくで縦ロールを巻き、ケバイ化粧をしていたはず。なのに、いつのまにかそれなしには学校を歩けない状態になっているという。「変装」といたら別人超絶美少女なんだから、別に堂々としててもいいだろうに、そんな素顔よりも「縦ロール」が不可欠とか……もう、なんて言ったらいいかわかりません。

 王子様と弟君ほか攻略男子に、同性として言いたい。忠告したい。
「どれほど魅力的に見えようが、彼女の心境を慮るならば、けっして注視(ガン見)してはならじ」と。

 ……でも、まあ。

 心理描写みてる男性読者目線でさえも意外に思えるくらいだから。作中男子にはヒロインの感覚は絶対理解できないんだろうなあ。
 こっそり覗き見るとか言語道断! 後でバレたらどうする気か。
「実はあの時からわかっていたんだ」とか、したり顔で言ったりする流れじゃないですか、これ?

 ともあれ。
 男とはかくも無思慮かつ無礼な生き物です。今後いろいろやらかすかもしれませんが、登場ヒロイン各位、ならびに女性読者諸姉、そして何より作者様には、格別のご寛恕をもって……ぶっちゃけ、広い心で許してやってください。<(_ _)>

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