医療系+異世界ファンタジー=チート? いいえ、頑張ってきたんです

医療系小説というのは大抵しんどい。というのが、わたしの勝手なイメージでありました。読む前には「読むぞ!」という掛け声が必要なほどです。※注:掛け声は比喩

病気や怪我、痛み、体の不都合などなど。
現実にもある辛いアレコレを微に入り細を穿つという内容は、正直しんどい。
しかし、そのしんどさが、このお話にはほとんど感じられないのです。
何故か。
主人公シュージが真面目に医療へ取り組んでいる姿もさることながら、いろいろな人と関わってよりよくしようと頑張っているから。
では、ファンタジーと融合する意味は?
あるんです。ファンタジーだからこその理由が。
そう、魔法です。
魔法なんて夢のような話です。でも夢を見てもいい。ファンタジーってそういうことだから。そこに救いがある。しんどさが軽減されるのです。

もちろん、病気の話題が多いですから読んでいて辛い部分はあります。だからこそだと愚考しますが、文章はサラリと綴られており、読みやすい。
たとえば、上手くいった手術の後、人間同士が織りなす描写は少なめです。
物語としてはいいところです。手術は完璧だった、やったー!となる部分です。しかし、このお話はサラリと終わってます。でも、そこがいい。
この小説は余韻を楽しむのだと思います。勝手に想像して「なるほど」と納得する。すると次の話で、患者の情報がサラリと語られる。ああ、大丈夫だったんだなと思わず顔が綻ぶわけです。
そうして少しずつキャラの情報が増えていく。その流れがとても気持ち良く描かれており、読んでいて楽しいです。

医療系にありがちな難しい文字の羅列はありますが、読者に分かりやすく噛み砕いている。そういうところも有り難い。
一つの事件が数話で終わるのもサラリと読めていい。ぜひ、読みやすい医療系+ファンタジー小説をどうぞご覧ください。

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