「子供の頃のあの感じ」は、宝箱の中で輝いていた

小学六年生の男の子、ひろとの視点で描かれる夏休みの冒険は、砂場から金色の鍵を掘り出したことから始まります。

鍵から出てきた不思議な存在、キィ。
キィを取り戻そうとする、何か。
子供たちはそんなキィを守るために、知恵と勇気を振り絞って立ち向かいます。
そして共に過ごす中で、深い友情を育んでいくのです。


一緒に鍵を見つけたたけるに向ける、兄貴分としての言動。
親友のこーすけに対する信頼と、どこか負けたくないという思い。
大人ぶっているのに何かと手が出る久野には、気づけば新しい感情が芽生えていて……?

ひろとの子供らしい心の動きが、「あぁ、あの頃って、こういう風に色んなものごとがキラキラしていたんだな」という懐かしい気持ちにさせてくれます。

冒頭から感じていたドキドキとワクワクが最後まで止まらず、読み終えたあとは、彼らと一緒に夏休みを過ごしたような、ひどく心地よい達成感がありました。


あの結末を選んだ彼らの、ひと夏の成長。
是非その目で見てみてください。おすすめです。